不妊症・婦人科疾患

不妊症について

ヒト卵巣における卵胞の発育

ヒト卵巣における卵胞の発育

顆粒膜細胞(GC)数は卵胞発育とともに増加する。二次卵胞以降どの段階でも卵胞閉鎖がおこりうる。
TIC : theca-interstitial cell

「不妊症」とは一年間夫婦生活をされても妊娠されないご夫婦で、男性・女性のどちらか、または二人に原因がある状態を言います。

2015年の調査では3.3組に1組のカップルは不妊を心配したことがあり、実際に不妊治療や検査を受けたことがある夫婦は全体で18.2%となっています。
※国立社会保障・人口問題研究所(第15回調査・2015年)

不妊症の原因は様々で、解明されていない事も多くありますが、現在分かっているものには、晩婚化による卵質の低下や、卵巣・子宮の器質的因子、免疫因子、またストレス等によるホルモンの乱れ等があります。

その中で、当院の鍼灸治療では「卵子の質の向上」「子宮の環境の改善」を行います。

不妊の原因は様々と言いましたが、大きな要因としては卵子の栄養状態が良くない為、受精後の分割が進まず、着床までに至らないという事例が数多くあります。

これに対して当院では、鍼灸とスーパーライザーを併用した治療で、排卵前の卵子にしっかりと栄養を与え、卵子の質の向上を図ります。

栄養がしっかり詰まった卵子が排卵され受精すると、その後の分割がしっかりと進み、胚盤胞(着床直前の受精卵)にまで育ちやすくなります。
胚盤胞にまで分割が進めば、自ずと患者さんの着床率そして妊娠率が向上していきます。

ただ、これはあくまで簡易な説明になります。                              初診時にはより具体的な内容や治療方法について説明をさせて頂きます。

受精から着床まで(妊娠の仕組み)

受精から着床まで(妊娠の仕組み)

着床障害(不全)や不育症について

また、上記の様に良い卵子が育たないという段階とは別に、「良い受精卵が出来ているのに着床しない」「内膜が厚くならない」「着床しても維持がされない」といった着床障害・不育症の患者さんもおられます。

この場合には子宮の環境の改善の為の治療を行っていきます。

不妊治療をしていて、「内膜が厚くならない」と悩まれる方は多いです。

その原因は様々ですが、そのうちの1つが血行不良であり、鍼灸治療で子宮への血流の改善を行う事で内膜が厚くなる方がいらっしゃいます。

自然妊娠であれ、体外受精であれ、内膜の厚さや血行は着床率に大きく関わります。

また、受精卵がしっかりと分割を進め、子宮の内膜が厚くなっても、着床しない(または維持されない)という方もいますが、その原因の一つに免疫機能の乱れがあります。

本来子宮が受精卵を受け入れる際には「免疫寛容」という働きが重要になるのですが、母体の免疫機能に乱れがあるとそれがうまく働かず、子宮に受精卵がきても受け入れなかったり、または受け入れてもそれを維持出来ないという事が起こります。

それに対し、当院では、母体の免疫機能の正常化を図り、受精卵の受け入れ・維持の際に免疫寛容がしっかりとはたらく様に治療していきます。
これにより、妊娠の成立・維持の確率が向上します。

また、その他の妊娠へ至らない原因として多嚢胞性卵巣症候群や、早発卵巣不全、月経不順等、様々な理由があります。

この様な症状に対しても、初診時にしっかりと時間をとり、それぞれの状態にあった適切な治療を提案させて頂きます。

是非一度ご相談下さい。

またこのような症状と同時に、不妊の要因として「年齢」が大きく関わります。
今妊娠を考えておられる方は一日でも早い治療を検討して頂ければと思います。